LAST UPDATE 2009/11/02
■10・25 サイン会レポート〜その3
2009年10月25日に行われた、たまちゆきサイン会のご報告でございます。
(※写真提供:ダンジョンブックス様)
ちょっといかした抽選箱。

■サイン会参加者限定・サプライズ(かもしれない)プレゼント
 そもそもこのサイン会の企画は、東京三世社で仕事をしていた頃からゆかりがあった(らしいw)ダンジョンブックスの店長さんの発案で、コミックハウス編集部の担当編集Tさん(サイン会中、ボクの隣りに座っていた方)経由でボクのところに入って来ました。とりあえず簡単なイラストを描いて、サインをして頂ければそれだけで良いとのコト。
 でもボクも引き受けた以上はサイン会自体楽しいモノにしたいですし、何より「やっぱり来て良かった〜」と参加者の方々には思って欲しかったワケですよ。それには何かしら、サイン会参加者だけへの限定プレゼントしかないだろうと。
 当初は最近そっち系専門書店で付いてくるようなペーパー(ダンジョンブックスでも付いて来ますが)を一枚書き下ろすとか、4Pくらいの同人誌的なモノを付けちゃうとかアレコレ考えていたのですが、編集Tさんに「こちらも無理にお頼みしてることなので、たまちさんの負担になるようなことはあまりしないで下さい」と言われまして、さてさてどうしたモンかと。
 そこでボクが考えた案が今回の「サイン会参加者限定・サプライズ(かもしれない)プレゼント」……生原稿プレゼントです。
生原稿が入った封筒に貼られていた説明書き。
■生原稿
 『恋人ごっこ』の原稿はボクがアナログからデジタルに切り替えるちょうど過渡期の単行本で、半分はアナログ、半分はデジタル仕上げなのですね。
 デジタルでの作品制作の手順としましては、まず普通のB4原稿用紙に下書きを描き、ペン入れ。乾いたら下書きの線を消しゴムで消して、A3スキャナでスキャニング。その後はパソコン上でのトーン貼り、書き文字、修正等、そして完成……と。
 本来は門外不出の完成型原稿はすべてパソコンの中……つまり、ペン入れした状態の手書きの生原稿は今後使い道のないままゴミのように貯まっていくワケですよ。いや、文字通り年末の大掃除の時には思い切って捨てちゃおうと考えていました(笑)。
 制作途中の生原稿とは言っても、デジタル移行当初はかなり手探り状態でしたので、『恋人ごっこ』収録の作品群は背景もペンで描き込んでいたり、髪ベタなんかも普通に筆ペンで手書き、集中線まで定規で引いてあったりするんです……(今じゃその辺はすべてパソコン上で作業しちゃってます)。
 なのでまぁ一応、人様にお見せしても堪えうるクオリティは保っているかな? と……いや、これを自分で言うのは何ですけどw
 裏にはアタリを取るための鉛筆描きが残っていたり、セリフも鉛筆のまま残っていたり、集中線を引くための画鋲の穴が空いていたりと、まぁ臨場感はあるんじゃないか……何より完成型ではないとはいえ、ご自分の所有している単行本の紛れもない生原稿ですしね、これはサプライズになるんじゃないかな〜? と。

 そんな話を編集Tさんにしましたら「それはファンの方なら絶対喜びますよ〜」ってなことになりまして、『恋人ごっこ』収録作のデジタル仕上げの中から、
●「思春期の好奇心・2」
●「IDOL☆SISTER・6」
●「家族として、妹として」
●「わたしの恋に素直になります」
(並びは制作順)
……の4作品のペン入れまでの生原稿を、お一人様一枚ずつ、もれなくプレゼントしちゃおうってことになったんですね〜。
 抽選ボックスの中のくじを引いてもらい、出た番号の数字と同じ数字の書いてある”生原稿入りB4封筒”をプレゼント、というスタイルでやりましたので、作品は選べないんです。上記4作品の内のどれか、どこかのページがランダムで入ってるので、ボクも、封筒に詰めた編集さんも、お客さんの引いた番号がどのページなのか全く解らないのです。
上から見た抽選箱。当日に側面からは見ましたが、上はこんなになってたんだ……。
「こ……ここから手を入れて欲しーの……」って(笑)。

■「あたり」「はずれ」はない……ハズです
 エッチシーンの局部には、一応自主規制ってことで編集さんに白いシールを貼って貰いました。もちろん本人の手で剥がして貰っても構いませんが、そこら辺は自己責任でお願い致しますです。
 ちなみにページによっては、全くエロシーンじゃない普通のページが入ってたりもするんですよ。例えば「家族として、妹として」の1ページ目なんて、お兄ちゃんしか出て来ませんからね(笑)。そういう方には2ページ目の沙樹の登場シーンも一緒に入ってたりします。つまり2枚封入。
 ひょっとしたらエロシーン以外が当たった方は「ハズレ」と思ったかもしれませんが、作者側から言わせて貰えば、エロシーン以外の方が背景もしっかり書き込んであったり、むしろ密度が高かったりで”マンガ的”にはオススメなんですけどねー。
 例えば「わたしの恋に素直になります」の1,2ページ目は、トーンと学校の外観以外はすべて手書きで入ってますので、細かいトコまで堪能出来るんじゃないかと……むしろボク自身はそういうページの方が思い入れが強かったり、気に入ってたりします。

■サプライズ抽選会の効能
 自分でこのプレゼント企画を発案したくせに、当初は「目の前でいらないって言われたらちょっとショックだよな〜」とか心配してたんですけど、いやいや、蓋を開けてみたら誰1人拒否した人はいなかったですね……一応編集さんには”親切の押し売り”みたいになっても嫌なので、必ず最初に「いりますか?」と聞いて下さいと頼んでおいたんですw
 お好きな作品が当たった時の反応とか、生原稿プレゼントに素直に感動してくれたりとか、いや〜、やっぱりやって良かったですね〜♪ 何よりそのことで話が弾んだり、ボクの手元から少しでも視線を逸らしてくれたりで(笑)、こちら側としましても誠に嬉しい反響でございました。

■サイン会、終わりました
 結局午後2時に始まったサイン会は20人ほどが終わった時点で10分程度の休憩を入れたのみで、それ以外はほぼノンストップで描き続けました。お陰でほぼ予定していた通りの進行で、ボクの人生初(そして最後かもしれない)サイン会は無事終了致しました〜(午後6時半頃……?)。
当日使われたサイン会の整理券
(※写真提供:志波直人様)

■〜その後
 終了後は2,30分控え室の方で編集さん、店長さんを交えてサイン会の感想等話しつつ、改めてお店に飾る用の色紙にサイン(またかい(笑))。(結局それもボールペンで描いちゃいましたが……)。
 その後編集さんと2人で秋葉原駅前の居酒屋で軽〜く打ち上げを。
 編集Tさんとは毎月のように近所のデニーズで打ち合わせ(と称した食事orお代わりドリンク三昧)をしているのですが、いやいや、お酒を交えてのあーゆうのもまた良いモンですね〜。ボクは描きっぱなし、編集さんは喋りっぱなしでお互い疲れていたのか、二人とも2,3杯の酒で良い気分になっちゃいましてね(笑)。
 夜9時ちょうどに店を出まして解散。ボクはかなり立派な花束や差し入れのお菓子なんかも貰っちゃっていたので、混んだ電車で帰るのも面倒くさいな〜ということで、結局タクシーで帰宅(3000円弱掛かりましたが)。
 実は当日3時間ほどしか寝てなかった……にも関わらず、多少テンションが上がっていたのか帰ったら帰ったで結構元気でしたね。ただ午前2時頃に猛烈な眠気が襲いまして就寝……でも何だか知らないけど次の日は朝7時にキチンと目が覚めました。

■最後に
 そんなこんなな人生初のサイン会、全3回に分けてご報告させて頂きましたが……んー、まぁホント、長くマンガ家やっててもこんな機会は滅多にないですからね、かなり貴重な体験をしたんだと思います。このレポートも胸に刻み込むように、あえて長々と書かせて頂きました。
 ご参加下さった皆さんホントに良い人たちばかりで、作家として「あ〜、愛されてるんだな〜」なんて再確認してみたり、いやホント楽しかったです♪ 描くスピードといい、お客さんの反応といい、編集さんと店長さんは「また次もやれますね」何て言ってましたが、ボク的には今は少し考えさせて下さいって感じです(笑)。

 最後になりましたが、サイン会にご参加して下さった方々、本当にどうもありがとうございました♪ またいつかお会い出来ることを……関東近県の方は、是非コミケで!(笑)。
何だか寂しげに見える祭りの後……いや、撮影は祭り前だけど。
■おまけエピソード
 当日店内に流れていた曲……まぁあんまり聞いてた人もいないかもしれませんが、ボクのリクエストで全て「ビートルズ」でした。ノリノリで描けたのは、音楽のお陰もあるでしょう〜。 
 ただサイン会が終わるやいなや、ビートルズはアニ・ソンに取って変わられてました(笑)。


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